霊山町勢要覧 -011/027page
人が胸に抱くふるさとの風景は、も ちろん人によって異なります。そう、 たとえ同じ風景であっても、異なる色 をしているに遠いありません。あなた のまぶたには、どんな風景が浮かんで きますか?
まちをぶらりと歩けば、霊山ならで はの心やすらぐ風景に、あちらこちら で出会うことができます。豊かな霊山 の自然と、ここに暮らす人々の息吹が 感じられる、里山の風景です。きっと、 まちに暮らす一人ひとりの胸の中に、 宝物のように深く刻まれていることで しょう。
収穫のときを迎え、枝を重たそうに 垂れる桃の木や、鏡のように青空を映 し込む水田のきらめき。実りの季節を 迎えた黄金色の田んぼや、よく手入れ された畑。イチゴのハウスが淡く灯る 暮れの風景…。どれもこれもさりげな く、そして美しく、静かに深くわたし たちの胸にふるさとを刻み込みます。
秋になると、霊山の紅葉はもとより、 色よく熟した柿が、まちを鮮やかに印 象づけます。鈴なりの柿の木を見あげ、 竿を使って収 穫する老夫婦 の姿や、孫と 一緒に軒先で 柿を結んでい るおばあさん。 そしてズラリ と大量につる された干し柿 小屋の風景は、 いつまでもな くしたくない ふるさとの風 景のひとつで す。
冬になると、 霊山のまちは雪化粧でいっそう美しく 飾られます。真っ白な銀世界の中に、 家々の明かりがやさしくきらめきます。
里山の風景は、ただ美しいだけでな く、この地で生きる人々の暮らしが織 り込まれています。
だからこそ、やさしくてあったかい、 見る人をなごませることができる力が あります。
霊山町には、そんなふるさとの原風 景があります。