月舘町伝承民話集 -045/200page
観音経にすがった話
昔、五幸山の麓の部落になにかわからぬ流行病がまんえんして、大岳という屋敷では、家族が次々に8人 も死んだ。辛うじて残った嫁と乳呑児は、お山(五幸山)の観音様におすがりする外はないと考え、水とり 場で身を清め、背には子供を、手には上げ物の杉の苗をもって五幸山に登り、観音経一巻を唱えながら病気平癒を祈願したという。間もなくその流行病は治まり、平静になったということです。
そんなことがひろまってか、年を追って参詣する信者の数もふえ、例祭旧暦3月17日には家内安全の守 り神として、必ず子供をおぶって杉の苗を持ってお参りするようになり、近年まで地元青年会などは杉苗の 受付と植樹の世話で大わらわだったということです。
御山の獅子唄
1、 おししよおしし
ここらにたもれ
山のお峰に三社がござる
ししのお守は皆神様よ
ししのおる場所何程ご座る
笹のある山皆吾山よ