月舘町伝承民話集 -066/200page

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倉ヶ入の力だめし石

 細布の倉ヶ入に力だめし石というのがあります。江戸幕府時代から明治・大正・昭和の時代を通じて、何 百年という長い間、若者たちが集って、この石をかつぎ上げて打ち興じたといわれています。重さは27 貫ほどあって仲々の力のある人でも肩まで上げることは、容易でないそうです。近頃は若者が余り興味がな いのか、忘れられたようになってしまいましたが、明治時代までは祭日や休日に集って、よく力だめしをやっ たものだといわれています。倉ヶ入のKさんの家では若者たちに賞金を出したりご馳走などをして、かつぎ 上げた人を待遇したりしました。たいていの若者は膝の所まで上げるのが精一ばいで、胸まで上げたものは 明治以来、たった一人だといわれています。石は昔も今もKさんの庭にだまっておさまっていますが、石が 口をきくとしたらいろいろのことを話してくれると思います。


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