月舘町伝承民話集 -067/200page
古屋の入の供養碑
細布の吉ヶ作地内の道ばたの土手上に南無阿弥陀仏の碑が建っております。部落の人達は俗に供養様と呼 んでいるか、この碑については次のような物語が残っています。
昔この部落にNという人が住んでいました。とても信心深い人だったそうですが、負けずぎらいな性格で 何をやっても勝つことばかり考えておりました。ある年、部落で千両取りの無尽講を始めることになりまし た。Nさんも勿論これに参加しました。それからNさんは日も夜も神仏に願をかけてこの無尽で千両取りが 出来るように祈りつづけました。
Nさんが村を去るとき、先祖の供養をして心残りなくこの地に別れるために、この供養碑を立てたのが、 そのまま残っているのです。碑面には、南無阿弥陀仏と書いてあり、明和九年七月仁右衛門建立と彫られて あります。又、仁右衛門の住んでいた所は高い屋敷跡で、今では畑になっています。この物語りは、今から