月舘町伝承民話集 -169/200page
の大鈴の引き手に首を吊って死んでおりました。村中大きわざとなりました。結局、境内の一隅に小さい石の祠を建て祀ることにいたしました。人呼んで、首つり稲荷と申します。
観音と同室をきらった地蔵菩薩
上手渡地区摺臼田の丘陵に間口五間、奥行四間ばかりの敷地に草ぶきの御堂があり、片方には小手庄巡礼 札所第二十九番の観音さま、狭い廊下を隔てて一方に地蔵菩薩が祀られておりますが、正直のところ一見して何かしら一種のふしぎな思いがするのであります。それには、次のようなお話が伝えられているのでございます。
御堂の下にユエという神がついているといわれるお婆さんが住んでおりましたが、時折近所を歩き廻って