月舘町伝承民話集 -170/200page
は神のお告げだとして 「昨夜も地蔵さまがわしの夢ま くらに立って、同じ家屋の下の狭いところに観音さま と一しょにはおりたくない、といっておったぞ。この ままにしておくといつか祟られるぞ。」と叫ぶのでござ います。
近所の人びとも、いつものことゆえまた婆さんはじ まったな、と思って聞きながしてはおったものの、あ まりやかましくいうものだから、近所の人たちも古い 御堂のことでもあるから、いっそこの際建てかえよう かということになり、現況のような姿の祠に建てかえ られたといわれております。なお、この狂乱婆のその 後のことであるが、そのことがあって以来、すっかり 正常のよい婆ちゃんになって、一生を送ったというこ とでございます。