「ふるさとの小径を行く」 -037/168page
御代田の道祖神
国道三四九号線、越田地内の道側に立つ石祠が「御代田の道祖神」です。一般的な道祖神としての男根は見当たりません。
江戸時代初期に、前柳の寺島氏が建立したものが始まりと伝えられています。
その後、文化二年、桑折町の桐屋某がこの道祖神に危難を救われたので報恩のため道祖神の碑と石段を寄進、さらに明治時代に入って現在の石祠を寺島家が寄進したといわれています。
昭和五十三年の国道改修によって道路脇から山腹に移りましたが、道祖神であるのでできるだけもとの位置近くに再建するように配慮されて今日に至っています。
絹の里・川俣へ往復する桑折・保原方面の人たちにとってこの地域は淋しい峠であり、道祖神はどんなにか頼りになるありがたいものだったのでしょう。
この峠近くに中町という地名がありますが、この町は「待」の変わったもので、かごかきなどのたまり場を意味したものといわれています。町内の各所に待があったようです。