「ふるさとの小径を行く」 -099/168page

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は修業の階程として造立、崇拝されています。十六羅漢、十八羅漢、五百羅漢などがあります。

 第一尊者は賓度羅跋羅惰闍尊者(ピンドラバラダジヤーソンジヤ)、一般に「オビンズル様」と呼ばれています。

 このオビンズル様の背後に信州高速滝口村亀右衛門、泰道の名が刻まれており、作者名の明らかな石像で数少ないものです。小手風土記には、石ノ羅 漢天明年中日州恵輪和尚建立と記されていますので、一七八○年代に作られたものでしょう。福島の黒岩山満願寺にある十六羅漢像より古いものです。

 最近までは、部分的に金箔がはってあったということで、松林の中に立つ姿には、荘厳をとおりこして恐ろしい感じさえしたとは古老の話です。

 ほぼ、完全な形で現在に至っているその姿は、周囲をとりまく松の古木のかもし出すふん囲気とともに、修業僧の理想と地域の人々の真摯な信仰の心を今に伝える貴重な文化財として町の重要文化財に指定されています。

天坂の権現様と観音堂

天坂の権現様

 小手の稚蚕共同飼育所から南へ一〇〇メートル入ったところに木の香りも新しい小社があります。斎藤家の氏神として信仰されている通称権現様で、伊豆権現、箱根権現を祀ってあります。貞永元年(一二三二)壬辰八月十五日、斎藤兵衛末孫天坂丹波汲正と記されていますが、斎藤家の先祖がこの地に来て


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