「ふるさとの小径を行く」 -100/168page

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祀ったものと伝えられています。貞永といえば鎌倉の北条政権がようやく確立したころであり、年号の明記された社としては町内の古社に入るものです。

 社内には「粟島大明神」(文化五年)のほか、稲荷大神、大山祗大神、蛇累大神も併祀されています。

 社殿は、明治三十三年遷宮のものでしたが、昭和五十四年に造営、遷宮されました。

 権現様より一〇〇メートルほど北に当る小山の頂上に、これも斎藤氏ゆかりの観音堂があり、観世音菩薩像が安置されています。

 御堂は明治三十三年に造られたもので、一間半四方の小さいながら、よく手入れされています。堂内には、月夜見神社も合祀されています。裏手には数基の墓石が立っていますが、斎藤家の祖先のものとされ、徳川中期以降のものですが、対の位牌を並べた形の珍らしいものがあります。これらは、ずっと古くなるらしく時代はわかりません。

引田の大日堂

 糠田の引田から小国へ抜ける道の右手に、細々と連なる石段を昇ると、杉の木立ちに囲まれた御堂があり、中に木像が安置されています。

 大日如来は密教系の最高の格式の如来とされており、申酉年生まれの一代守り本尊でもあります。

 本如来像は、千葉一族の守り本尊として文明元年(一四六九)に安置されたものと伝えられています。

引田の大日堂
引田の大日堂


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