「ふるさとの小径を行く」 -121/168page
搦手稲荷
亀居館の北にあって、館の搦手の守護神として祀られたと伝えられています。字は竹ケ作になります。
信達一統誌によると、搦手稲荷の名の起こりとともに「無税地一反歩、当社は蚕養守護の神と現じ給う。蚕飼の夜風除等祈願すれば、其家に御使として 蚕守護の為め蛇を差下さる、其蛇鼠を防ぐ事、実に霊験あり、邨人大に尊信す」との記事がみちれます。
今は、このような信仰はさすがに薄れているようですが、館の守護神が蚕養の神に変身して地域の人々に親しまれていった様子がうかがえます。
旧小手村の忠魂碑
並椚橋の手前、元下手渡小学校校庭跡の一隅に建つ高さ約二・四メートル、幅約一メートルの堂々たる自然石の忠魂碑があります。
これは、日清、日露の戦役に従軍した小手郷在郷軍人義団の人たちにより、英霊を弔うとともに、永遠の平和を願って明治四十三年十一月二十三日に建てられました。
「忠魂碑」の文字は、当時の陸軍大将子爵、西寅二の書によるものです。その後、満州事変や戦争で亡