「ふるさとの小径を行く」 -147/168page
小鉢内の道標
県道広畑線沿い、児童遊園地の反対側の用水路のわきに、高さ八七センチ、幅四六センチの花崗岩に、中央に「西ハつきだて」左右に「左ハ石田道」「右ハにまい橋」と刻まれた道標があります。文久二年(一八六二)のものです。
今では、この前の道はあぜ道のようになっていますが、江戸末期には、相馬と石田への分岐点として往来のにぎわったところです。道は「竹の内観音堂」の方へつづいていて、急な坂道でした。「らんとう坂」とも呼ばれて難所だったそうです。現在では、相馬に通じる県道も舗装され、また、広畑線もすっかり変わり、昔の道路を辿ることも難しくなってきています。布川の姿をはじめ、川の流れもかなり変わってきています。
めまぐるしく変わる地形を道標はじっと見続けていくことでしよう。