「ふるさとの小径を行く」 -148/168page
茶畑の道標
布川・茶畑から金子坂遺蹟への分岐点に立つ高さ一.三メートル、幅四〇センチの自然石の道標です。「右やま道、左そうま道」と彫ってありますが、花崗岩で風化が激しく読みにくくなっています。建立年もわかりません。右の金子坂方面は、現在は林道が開かれて昔の道筋はわからなくなっていますが、沢沿いの羊腸の道でした。金子坂遺跡の近くを通って山に入る悪路だったことがうかがえます。左手へ進むと行合道に出て、現在の国道一一五号線に通じます。月舘から相馬への最短距離の道路として往来も激しかったものと思われます。このような道しるべは、どんなにか旅人に安心感を与えたことでしょう。