あだち野のむかし物語 - 035/037page
あえない最期(さいご)を遂げたのでした。三人の死をあわれに思った里の人々は、懇(ねんごろ)ろに弔(とむら)い塚を作って供養(くよう)しました。
その塚が旧岳温泉街道のどの辺にあるのかは、残念ながら定かではありません。
岳温泉の工事現場から、三体の遺骨が出たので、お寺さんに預かってもらったところ、夜な夜な、鎧武者(よろいむしゃ)の亡霊(ぼうれい)が出て、和尚さんをなやませたそうです。三体の遺骨を現場近くの無縁仏のお墓に懇ろに葬(ほうむ)り、供養したところ落ち着いたそうですが、もしかすると三人の死と因縁(いんねん)があるのかもしれません。