わたしたちの町あだち-050/059page

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 いよいよ紙すきです。こまかくくだかれた「こうぞ」を大きな四角のコンクリートの箱のようなところに入れ、水とネリをまぜてドロドロの水のようにします。そして、紙すき機という竹で作ったあみのようなもので一枚一枚すきあげます。よい紙がすけるようになるまでにはたいへんな努力がひつようでした。
 一日に400枚すければ、ふつう。名人といわれる人は500枚ぐらいすくことができました。
▼6) 紙をすく
▼7) 機械で水をしぼる
▼8) できた紙をかわかす
紙すき
 昔は大きな板に1枚1枚はりつけてお日さまの力でかわかしました。天気がわるくなると家の中にしまわなければならないのでたいへんでした。
 今は鉄板でできたかんそう機にはりつけてかわかすので天気がわるくても、夜でもかわかせるようになりました。
 昔はしょうじ戸が多かったのですが、今はガラス戸が多くなり、しょうじ紙はあまりいらなくなりました。手で1枚1枚すくのでたくさんできません。今ははがきやびんせん、ふうとう、紙絵のざいりょう、賞じょうなど小さな紙の方が多くなりました。
 平成7年に福島県でおこなわれた国民体育大会のときの賞じょうはぜんぶ上川崎の和紙でつくられみんなにとても喜ばれました。

▼第50回国体の賞じょう
第50回国体の賞じょう

 和紙は世界でいちばんじょうぶで美しい紙といわれています。夏、温度が高く、しめりけの多い日本にいちばん合っている紙といえます。しかし、作り方がむずかしく、またたくさんつくれないのでだんだん紙すきをする人がすくなくなってしまいました。このまま紙すきをする人がいなくなってしまうのはとてもざんねんなことです。紙すきの仕事を大切にしたいものです。


 自分の身のまわりにどんな和紙のせい品があるのかさがしてみましょう。

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