須賀川市人物読本 先人のあしあと -025/134page

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になって太陽が西の山にかたむくのをみて、次のような句をつくりました。

終(つい)に行く道はいづくぞ花の雲
 わたしがゆこうとしている最後の道は、きっと桜の花にかこまれた美しい道にちがいない。

 この句碑は、たよ女の弟子たちによって、十念寺に建てられ今も残っています。

 こうしてたよ女は、慶応(けいおう)元年(一八六五年)八月四日にこの世を去りました。桜の花にかこまれた美しい道を歩んで、この世を去るたよ女の姿(すがた)が、目に見えるようです。数え年九十才でした。お墓は芭蕉の句碑のある十念寺にあります。

 このように、たよ女は俳句づくりに一生をささげ、多くの弟子を育てましたが須賀川には、今から約三百年前の人で、芭蕉(ばしょう)とたいへん仲のよかった「相楽等窮(さがらとうきゅう)」や僧可伸(そうかしん)、藤井晋流(ふじいしんりゅう)など有名な俳人がたくさんおりました。


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