須賀川市人物読本 先人のあしあと -081/134page
たたくと、うまい具合に波ができます。その上に五十センチぐらいの航空母(こうくうぽ)かんや巡洋かんをならべ、トタンの下から磁石で船の方向を変え、細いピアノ線で引きました。
昭和二十九年、日本最初の特撮(さつ)怪獣(かいじゅう)映画「ゴジラ」の製作にあたりました。この怪獣には、ゴリラとクジラをくっつけて“ゴジラ”と言う名前が命名されました。当時、数百万年も昔に滅(ほろ)びた怪獣が東京へ上陸して来る話なんて、ほとんどの人は聞いただけでゲラゲラ笑い出すほどでした。
ゴジラが高圧電線にひっかかり、いかりくるって放射火炎で鉄とうをとかす。この火えんと背ビレの発光がゴジラのみ力になったのです。特撮(さつ)の場合は、そのようにやってみなければ結果がわからない事が多いのです。迷(まよ)うより、やってみるという英二かんとくの決心が“ゴジラ”をここまで長生きさせたのです。ゴジラの形が気に入るまで、何十回も作り直す熱心さで、火えんのはき方や、目玉の動かし方も何回も何回もやり直しました。