須賀川市人物読本 先人のあしあと -090/134page
員といっても、中体連で活やくした友だちがほとんどでした。円谷選手は、毎日グランドの草むしりをさせられました。夏の草はむしってもまたすぐに生えてきます。広いグランドの草むしりは何日もかかりました。
みんなといっしょにトレーニングできないくやしさ。なかまのいないさびしさ。そんなことを心に強く感じながら、がまん強く草むしりにあせを流しました。グランドで走れないなら、家にかえってからやろうと考え、家の近くの農道を走ることにしました。勉強が終わると、毎ばんのように農道で練習をしました。鏡石町まで往復(おうふく)十キロメートルもある長いきょりを雨がふった夜でも休みませんでした。両親もそのことは知っていて、円谷選手のつらい気持ちを考えて何も言いませんでした。
入学式のときにお母さんから買ってもらった通学用シューズは、いつのまにかはきつぶしていました。
学校へ行くときも走り、かばんをかかえて走る円谷選手の話は、町中の人々の