須賀川市人物読本 先人のあしあと -107/134page
に教えてくれる人がいませんでした。機械がこわれてもなおしてくれるところがありません。それに、まわりの人々は西洋の農業にまだ理解がなかった時代だったのです。
そのころの新聞に、伝右衛門が須賀川の町に大根を売りにいくと、伝右衛門の畑でとれる大根は、羊のふんを肥料にしているからきたないといって、だれも買わなかったと書いてありました。
伝右衛門は、失敗をおそれず、次から次とだれも知らない新しいものに挑戦(ちょうせん)していきました。病院や産馬会社をつくり、西洋の農業にたった一人で挑戦した伝右衛門には、勇気があったのだと思います。
さらに、伝右衛門は、いつも世の中の人々の幸せを考えていたのです。まわりの人々の不幸を、だまってみていることができなかったのです。
伝右衛門は、年をとってからキリスト教の信者(しんじゃ)になったといわれています。イエス・キリストは、人々に『汝(なんじ)の隣(りん)人を愛(あい)せよ』と教えています。これは、あな