長沼町勢要覧 -027/044page

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新聞や古雑誌、あきびんなどのリサイクル が、町の祭りへの参加資金にならないか―
それがすべての始まりだった。北町町内会で は当時、長沼まつりに参加しようとしたとこ ろ、ねぶたづくりに必要な費用を町内会費で は負担することができなかった。「どうしよ うか」と悩んでいた樋口さんの目に、町の広 報誌に掲載されたリサイクルの特集が飛び込 んできた。そこで役場に相談し、ゴミの収集を 行政区内に呼びかけたのだ。そうしたとこ ろ、行政区内のみならず他地区の子供会でも 噂を聞きつけて、ゴミを持ってきてくれた。 最終的には、四t車に積みきれないほど、か なりの量が集まった。思った以上の成果を挙げ、 当初の目的は果たした。しかし、この経験を 通して、それ以上の“収穫”を得たこと に、彼女たちは気づいていた。「ゴミの割り ふりはどうすればいいいか」「町でゴミをス トックする大きな場所や、ゴミの収集所を増 やせないか」……そのような、いままで見え ていなかった問題に、そのとき初めて目を開 くことができたという。

大原さん、遠藤さん、樋口さん
「地区全員が出て、清掃活動をやったこともあったわね」「そう、自分で自分の周りを綺麗にすることを体験してから、いろんなことが見えてきたね。」「通学路で子供たちの頭にかかる雑草は危ないとか……それまでは、気づかなかったかもしれない」

そしてその後、新しい形でのゴミ収集がス タートした。毎月、第三土曜日の学校帰りに、 小中学校の子供供たちが袋を持ってゴミを集め るようになったのだ。これには地区担当の先 生も協力していただくようになった。そして、 やがて高校生の生徒たちもゴミを集めるように なった。「ランドセルを背負った小さい子供たちが ゴミを拾ってるんですもの。高校生や大人たちも “きれいにしなくちゃ”と思いますよね」と、 大原さんはほほえむ。

行政でしなければならないこと。それはそ れで存在する。しかし、そこでやり切れない ことで、自分たちは何ができるか……それを 考え、行動に移した。その一つが“プラカー ド作戦”。「ゴミを拾てるな」「スピー出す な」といったプラカードを、子供たちがも ってバイパス道路に立ち、PR活動を行った。 こうしてクリーン作戦は、町に定着していった。

“自分たちの町をきれいにしたい”という思い が、「どうすればゴミを減らせるか」「リサ イクルできる資源ゴミはないか」という具体的な 取り組みへと変わるのに時間はかからない。 北町町内会では、定期的なビラ配布などの 広報に加え、分別収集のための説明会を開き、 地域ぐるみの活動を開始した。「しっかりと した情報さえあれば、きちんとゴミを出して リサイクルに役立てたいと思っている方はた くさんいると思うんです。」遠藤さんはそう語る。 そして、これらの活動に呼応するかのよ うに「容器包装リサイクル法」が導入される と、細分化でのゴミの減量がかたちとなって 表れてきた。分別収集開始からわずか十カ月 で、町全体の不燃物ゴミの収集量をなんと 約六割まで減少することができたのだ。 この成果は決して偶然などではない。一人ひとり の自覚が町をより快適な環境に変えてゆく。 その奔流はこれからも続いていくにちがいない。

ニュータウン
交通の利便性が良く、周辺環境にも恵まれ、自然と調和したニュータウンで、快適な空間が生み出されています。

住宅
暮らしやすい快適な住宅整備。それは、まちの人々の生活を、より豊かに変えていきます。私たちは、人と家と環境の調和を考えた夢づくりを進めます。

排水施設整備
まちが恩恵を受けてきたきれいな川に、きれいな水を返したい。恵まれた自然環境をこれからも守るため、排水施設整備に力を入れています。

オフトーク通信
まちの地域・生活情報などを交換しあうコミュニケーションシステムとして、「オフトーク通信」を実施。まちが一体となった情報通信網を育てています。

子供たち
純粋な笑顔がはずむ子供たち。まちの快適な生活環境をみんなの力で築きあげていったとき、その笑顔はさらに輝いていくことでしょう。


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