さくら紀行 -000-01/010page
ごあいさつ
皆さんは「冬来たりなば春遠からじ」という言葉 を耳にしたことがあると思います。
冬特有の灰色を帯びた空から舞い落ちる白い雪。 そして、西山から吹き付ける身を切るような冷たい風に堪え、心待ちわび る暖かな春の日差し…。
サクラは、厳しい冬に耐えながら春を待ちわびる北国に住む私たちに とって、豊かで暖かな春の訪れを告げにやって来る、まさに「春(はる)の使者(ししゃ)」 であります。
また、その昔、サクラの花が咲くのを見て人々が農作業を始めたと言わ れますように、サクラの花は事の始まりを告げる「季節(とき)の告人(つげびと)」でもあり ます。
町の東から桜前線がゆっくりとした早さで西山を目指します。そして、 およそ一ヶ月の時間(とき)をかけ、山里を淡いピンク色に染めて行くのです。
長沼町には、先人達の手により守り受け継がれてきた歴史と文化の息吹 が今も脈々といきづいており、そのことが町に住む私たちにとって大きな 誇りともなっております。
今年は、千年に一度巡り来る記念すべき千年紀(ミレニアム)の年であり、新しい世紀 に向けての出発(たびだち)の年(とし)でもあります。 「水と緑と歴史の町」の象徴であり、いにしえの時代より守り受け継い できた我が町のサクラ達を是非ひと目ご覧いただきたく、皆様にご案内申 し上げます。
最後になりましたが、撮影をして頂きました写真家の曽山賢一に心か ら感謝申し上げます。西暦2001年4月1日
長沼町長 廣田 勝男