長沼町の伝説 -024/224page

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護真寺のしだれ桜 《横田》

 護真寺境内にあるしだれ桜は、樹高一一メートル、根廻り五・二メートル、樹間一八メートルのみご とな老桜で、観応二年(一三五一年)本禅等訳和尚によって護真寺が開基された折に、植えられたものと 伝えられている。

 老樹に咲く花は、まさに豪華な一幅の画のようにみごとである。近くにある旧横田陣屋趾にある御殿 桜は、この桜の種がこぼれて生えたものといわれている。

 土地の農家は、古くからこの桜の花の咲き出すのをみて、播種作業に入ったというので、種まき桜と 呼ばれている。

        県指定天然記念物(「桙衝村誌考」より)

出雲松の由来 《木之崎》

 大字木之崎字合ノ原の旧大久保道路(田島道路とも言った)にある二本の黒松で、本多出雲守政利が天 和二年(一六八二)に大久保の領主となった折、街道を開いて出雲街道と称した。その時記念に手植した といわれる。二本とも樹高二〇メートル、根廻り三メートルの大木で、木之崎八景では「女夫の松の夜の 雨」として第一に挙げられている。老松の枝振りは三百年昔の名残りを留め、行く人の旅情を慰めてく れ、まさに佳景である。

        (「桙衝郷土史」より)


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