長沼町の伝説 -023/224page
四・四メートルで、県の天然記念物に指定されている。
ここは昔、満福寺という寺があった所で、古館と深い関係があると思われる。当地方では、種蒔桜と 呼んで、昔はこの桜が咲くと百姓は苗代準備をしたという。
ここには万延元年、九月吉日と記された。不動尊の石像があるので、不動様の桜ともいっている。十 九夜観音の像や、馬頭観音の像も祀られてある。
台地の端にあって、たびたびの落雷で被害を受けたが、不思議に樹勢が回復して、毎年みごとな花を 咲かせている。西の地点から阿弥陀三尊仏の石碑が数年前掘り出された。舘と同年代のものであろう。
県指定天然記念物(話者 大河原浩一・小林利一)
矢中の一本松 《横田》
横田字矢中に大きな一本の松の木があった。昔、八幡太郎義家が前九年の戦に来て、八幡岳に陣を敷 いて、ここより弓を射た矢がこの地に落ちたので、村人は松を植え、祠を建てて記念したと伝えられる。
明治初年まで、矢中大明神と称する小祠があったが、今は菅原神社境内に遷された。今は松も切ら れ、田圃となってわずかに小さな土壇が残っている。村角力の四股名は、横田は一本松と呼んでいる。
(話者 池田藤一)