長沼町の伝説 -181/224page

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神物に関するもの

鼻取地蔵 《上江花》

 上江花の字竹之内の俗称地蔵の森には、昔、地蔵堂があって、地蔵様が祀られてあった。いま屋敷の 上にある地蔵堂は、ここから移したといわれている。

 私の家の先祖、巳之助爺様は、妻が足が悪いので、荒くれか き(荒代)には一番難儀したという。他の仕事は一人でもできる が、荒くれかきは、必ず馬の鼻取が必要なので因ってしまった。 馬が早いので、子どもには最も適した仕事である。

 ある年、どこからか子どもが来て、「俺らが鼻取りしてくれっ ぺ」と言った。どこの童か見たこともないが、忙しい時なので 鼻取りをしてもらった。昼になったので、仕事を止めた。近く の「イズボ」で足を洗った頃までその童はいたのだが、「お昼食い に行かねえか」と言ったときからどこに行ったのか、見当らな かった。

鼻取地蔵が足を洗ったイズボ
鼻取地蔵が足を洗ったイズボ


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