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朝もやの中から、時刻(とき)を告げるオランダの鐘が鳴り響く…
「牧場の朝」の風景に出逢える。
ただ一面にたちこめた 牧場の朝の霧の海〜誰もが一度はくちずさみ、あるいは耳にしたことのある美しいメロディ、さわやかな朝の風景を歌った歌詞…。小学校唱歌「牧場の朝」は、ここ鏡石町で生まれました。
作曲者が、元東京音楽学校(現芸大)の教授であった船橋栄吉ということは分かっていたものの、作詞者は長い間不明とされていた「牧場の朝」ですが、多年にわたる追跡研究の結果、新聞記者で文筆家でもあった杉村楚人冠が明治43年に町内の岩瀬牧場を訪れたときのイメージをもとに作詞したものと確認されました。
モデルとなった岩瀬牧場は現在、観光牧場となり、年間25万人もの人々が訪れるレジャースポットとなっていますが、当時は六六〇haもの広い原野に乳牛が放牧され、のんびりと草をはんでいたそうです。
岩瀬牧場は、明治40年、日本ではじめてオランダの乳牛(オランダホルスタイン)を導入しました。「牧場の朝」の中でも歌われている鐘は、オランダより、日本とオランダの友好の証として贈