天栄村村勢要覧 -014/028page
天栄村 歴史探訪
はるか昔から人々の営みを育んだ母なる釈迦堂川、
当時の面影を色濃く残す街道、
今はゆたかな森として四季を伝える城跡…。
天栄村にはたくさんの歴史浪漫がそっと眠っています。原始 廣戸川流域に米作文化が花ひらく
村の歴史は古く、原始時代までさか のぼることができます。桑名邸遺跡か らは数々の土器や土偶が発見され、当 時の暮らしをありありと伝えていま す。廣戸川(現・釈迦堂川)は今と変わ らずその流域を潤し、下松本の「関根向 遺跡」からは小動物狩猟用の「落とし穴」 ではないかという土坑が見つかってい ます。弥生時代の様子をうかがう手が かりは今のところ白子の「岡谷地遺跡」 しかありませんが、早い時期から米作 文化が栄えていたようです。農耕文化 の発達は岩瀬都にも新しい時代の風を 呼び込んだのです。
古代 岩瀬都最大級の「瀧ケ塚古墳」
村役場からほど近く、白子地区を歩 くと田圃に緑の小島が浮かんでいるの を見ることができます。それが村の古 墳時代を代表する「龍ケ塚古墳」です。 全長48.5m、前方部分は西に広がり、そ の幅は36.5m、後円部分の直径は24m で、岩瀬郡内最大級の規模です。近辺 には奈良、平安のものと思われる「国造 遺跡」や「志古山遺跡」などもある村の 歴史スポットです。特に「志古山遺跡」 から出土した「丈都龍麻呂私印(はせつかべたつまろしいん)」(銅製・ 昭和62年3月福島県重要文化財指定) は、福島県に現存する唯一の古印とし て高い注目を集めました。