天栄村村勢要覧 -015/028page

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中世 難攻不落の名城といわれた牛ヶ城

 この時代、須賀川・岩瀬郡に覇をとな えていた二階堂氏も戦国末期の天正17 年(1589)ついに滅亡。残された家 臣、矢田野阿波守(やらのあわのかみ)が居城とした「牛ヶ城 (大里城)」に仙台藩祖・伊達正宗の軍勢 が攻め入ったときの様子が、「仙道軍紀」 に残されています。そこには「正宗よ り石川昭光、片倉小十郎両人に命じ、大 里城を二重、三重に取巻き攻めけれど も名城なれば落ちず」という記述を見 ることができ、旧二階堂家臣の士気盛 んな戦いぶりをうかがい知ることがで きます。

近世 幕藩社会の中で生まれた宿場町

 幕藩体制の成立から崩壊(1590 〜1868)という大きな時代のうね りの中で岩瀬郡一帯は、次々とその支 配者を変えていきました。そして、た くさんの人々がこの地域を往来する中 で、宿場町も誕生しました。天栄村に は、およそ350年前、江戸時代から続 いた宿場町「牧之内宿」がノスタルジッ クな面影を現代に漂わせています。残 念ながら、当時のように茅葺き屋根の 旅籠が建ち並ぶ姿を見ることはできま せんが、間口が狭く奥行きのある宿場 町特有の町割は現存しています。村を 歩くと、「本陣」「柏屋」「江戸屋」「河内屋」 など今でも昔の屋号で人々が呼び合っ ているのを聞くことができます。

◆龍ヶ塚古墳(りゅうがつかこふん)

今から1400年前に作られた前方後円墳。当時、この地城を支配していた石背国造(いわせのくにのみやつこ)第5世の建磐主命(たていわぬしのみこと)の墓といわれています。 昭和55年に福島県重要文化財に指定。

龍ヶ塚古墳

◆法燈国師座像(ほうとうこくしざぞう)

鎌倉時代末期に作られた高さ80.5cmの寄木造 りの彫像。法燈国師は東大寺や高野山で修行 した鎌倉時代の高僧で、中国から日本へ味噌 の作り方を伝授した人物としても有名です。 昭利42年に福島県重要文化財に指定。

法燈国師座像

◆牛ヶ城跡(うしがじょうあと)

およそ500年前、室町時代に築かれた山城。 二階堂家の家臣、矢円野阿波守(やたのあわのかみ)がこの城を守 っていたといわれます。天正18年(1590) に仙台藩の片倉小十郎と石川昭光の大軍を 籠城戦で退けました。

牛ヶ城跡

◆まぼろしの焼き物「後藤焼」の謎に迫る

−  天心塾  −

 村内の後藤地区で今から90年 ほど前まで焼かれていたという 「後藤焼」を復元しようと集まっ たのが「天心塾」のメンバー15名。 塾長の江連利夫さんを筆頭に平 成9年に結成されました。
 後藤焼の手がかりはほとんど 残されておらず、窯跡が残るの み。天心塾では考古学者などを 招き、まだまだ謎の多い後藤焼 の神秘を探り続けようと夢をふ くらませています。

天心塾 後藤焼

◆天栄村ふるさと文化伝承館

ふるさとの歴史が一目でわかるマルチスポット

 「天栄村ふるさと文化伝承館」は、村の 文化と伝統を次世代へと受け継いでいく ための学習の場をつくろうと平成10年に 完成しました。館内は、伝統的なふるさ との文化を学ぶ「伝習室」と「展示室」に分 けられています。展示室は、「原始・古代」 「中世」「近世」「近現代」とテーマ別に分類 され、村の歴史を知る貴重な資料ととも に分かりやすく展示されています。他に も、昭和初期の農家の暮らしや伝統産業 を紹介するコーナーなどもあり、村の文 化の拠点として広く利用されています。

天栄村ふるさと文化伝承館


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