あさかわ 浅川町勢要覧2000◎町制施行65周年記念 -014/038page
鳥になって浅川を知ろう3森からの招待状
自然と語らい、大地の鼓動にそっと耳を傾ける。幾重にも重なった青葉たちのささやきが森にあふれると、 浅川の人々の心はいつしか潤いで満たされていく。
森、その小宇宙を歩く
春にはおよそ三〇〇本の桜が咲き乱れ、梅や山ツツジなどが城山を彩る。夏の緑、秋の紅葉、冬の雪景色など、季節の移ろいも目に 楽しい。約八〇種の樹木が並ぶ森には空に向かって三〇mほどに伸びたアカマツやスギの間を埋めるようにコナラ、コブシ、山桜、ケ ヤキなどの低い樹々が茂っている。それぞれの樹木にかかる品種を示すプレートを眺めていると、しぜんと興味が湧いてくるから不思 議だ。
青葉がひんやりとした木陰をつくる森は、そのまま動物たちの心地よい住みかになる。鳥類だけで二二科五二種、バードウォッチン グにも事欠かない環境。ノウサギやリス、カブトムシなど、小さな生き物を身近に見ることができる恵まれた場所といっていいだろう。
こうした自然に身近にふれられるよう、城山には、全長二・五qの家族向きの散策コースが九つ用意されている。ハイキングやトレッ キングで、山菜やクリやキノコの宝庫となる「味覚への道」、白山比呼神社に通じる静かな杉木立の「社への道」、蛇の目が他に続 く「湖畔の道」など、それぞれ違った表情のコースを歩くと心も浮き立ってくる。そこに住む生き物たちがつくる森の自然が、安らぎ を与えてくれる場所となり、時にはイマジネーションを広げる源泉にもなってくれる。