あさかわまちが生んだ偉人-005/093page

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2 自転車遊び
「薫ちゃがえらくなるのはわかっていた。」
浅川町のあるお年よりは、お酒を飲むと必ず、自まんそうにこの話を始めます。それは、このお年よりの少年時代の思い出にまつわる話です。
「うわあ、乗れた乗れた。」
「また、ころんだあ。」
小学校の校庭から楽しそうな声がひびいてきます。中学生ぐらいの男の子を中心にして、何人かの子ども達が、一台の自転車を囲んで遊んでいます。
この中学生の名前は「薫ちゃ」こと、吉田富三少年です。勉強が好きで東京の中学校に通っているのですが、休みを利用して生まれ故郷である浅川村(今の浅川町)に帰ってきているのです。
そのころは、まだめずらしかった自転車を、富三は家から持ち出して、村の子ども達の遊び相手になってやっているのでした。めったに乗ることのできな
1920年(大正9年)17歳
1920年(大正9年)17歳
第一高等学校理科乙類入学

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