あさかわまちが生んだ偉人-014/093page
されました。そこで日本人の中から、もっと、表記のわかりやすい、日本語に改めようと、考える人が多くなりました。中には漢字をはい止して、かなだけで日本語を書き表そうとした人もありました。また、漢字も仮名もはい止してローマ字で書くようにすれば、外国の人も日本語をよくわかってくれるだろうと、本気で考える人もいました。そのうえ、日本語をまったくはい止して、英語を国語にしょうという案もありました。しかし日本語の改革は非常に大切な問題であるということで、政府は国語審議会をつくり、学者や知識人を委員に任命して、考えてもらいました。富三も委員に選ばれて熱心に討議に加わりました。そして、漢字をはい止することには、強く反対しました。
富三は、『漢字は中国から取り入れたものだが、今では、すっかり日本人にとけこんで、これを自由に使いこなしている。つまり、日本人の言葉になっている。今、日本語から漢字をとってしまったら、せっかく、今までつくり上げてきた日本の文化が忘れられてしまう。だから絶対反対である一と最後まで主張したのです。こうして、今の漢字とかなまじりの表記法が取り入れられたのです。
私たちは、今この表記法で日本語の勉強をしています。教科書も、新聞も、