あさかわまちが生んだ偉人-026/093page
三振だ。」と思って力がぬけそうになりました。すると審判は、一呼吸してから「ボール。」
私もこれには「意外」と思いましたが、マウンド上の先生には、もっと「意外」だったようです。実に大きな声で「アーッ。」と言うと、天を仰いで大きくため息をされました。私は、先生のその時の無念の表情が今でも忘れられません。
私は、これは明らかに、子供の私が打者であったことに対する判定であると気付きました。しかし、吉田先生にしてみればストライクのはずが「ボール」と判定され、とてもがっかりしたのでしょう。それが「アーッ。」という声になったのにちがいありません。
しかし、先生のあのときの声は、温室育ちで甘い考えだった私に、
恩師佐々木隆興先生吉田富三博士