あさかわまちが生んだ偉人-036/093page
11 名誉町民 吉田富三博士
一
吉田富三は、明治三十六年(一九〇三年)二月十日、わが浅川町で生まれました。
父の喜一郎は酒造家で、明治時代の地方の人としては、よく新聞を読み、社会のできごとにもくわしい人でした。母ナヲは、石城郡三坂村(現在のいわき市三和町)のやはり造り酒屋に生まれ、若くして吉田家に嫁いできました。町の困っている人の世話をよくし、多くの人に慕われて、八十三歳まで生きました。
富三は、七人妹弟の三番目の子どもで、長男でした。
少年時代の富三は、カヤの生い茂る城山や野
晩年の富三博士