三春の自然-063/070page

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(3)町の花「松波」
昭和56年(1981)1月、町村合併25周年を記念し、三春町の花として松波が選ばれた。
松波は、サツキの一品種である。この花は、サツキとしては遅咲きの種類で三春町では六月の末ごろ咲くことが多い。花は一般的に、白地にあざやかな濃い紅色の伊達絞り、または小絞りで、一重の中輪である。花びらは、楕円形で、さきがふつうは五つにきれているが六つや七つのものもある。このサツキは、木がつる性で、葉は小さく細長である。産地によって、花の色や葉の形がちがい、また、実生の松波は交配されて、いろいろな花を咲かせている。
江戸時代、この三春をおさめた代々の藩主は、数あるサツキの種類のなかでも、松波をたいそう愛好し、大切に育てていたので、当時の町の人々の間にも、松波の栽培が広まっていった。そして城中や領内の村々で、松波が大事に育てられたので、名木、古木がたくさん残されている。江戸時代に発行された「金繍枕」という本には、サツキの銘花としてのせられており、この松波は、心に奥ゆかしさをひめた花
町の花 松波
町の花 松波

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