小野町町勢要覧 -014/043page
<町民座談会>
産業おこしにパワーを結集
いろいろな方法があるんでしょう けど、やっぱりどうしても収入を 考えると質より量を出していく ことになりますから、実現が難し いでしょうね。
司会 たとえばあぶくま野菜な んていうブランドができると、そこ で価値があがるとかそういうこと はあるんですか?
吉田(政) 今は小野町の農業で は「インゲン」を出荷していますが、 一定の質・量さえまとまれば、金額 はあがっていくでしょうね。きゅうり も10年ぐらい作っていますが、 個人でやっていれば個人で終わっ てしまうんですね。農業の場各は 今やっているもの以外で食べていく のはなかなかむずかしいです。
福田 酪農も設備投資がかかり、 農作業機械などに頼ってやらない とできません。中でも、一番問題に されているのは堆肥の問題で、こ れも5年以内にはなんとか施設 を作ってきちんとした堆肥にして、 使うなり、販売するなどの話も出 ているんですが、個人では難しいか なとなってしまいます。
農業全般の形で堆肥がリサイク ルできて、小野町の農産物がブラン ド化できたらいいのかと思います。
工業のさらなる発展を目指して
高橋 社会情勢の中で、需要が冷 え込んでいることはご存知でしょ うが、これからは公共事業もどん どん少なくなっていく中で、今まで と同じ形で企業の存続は難しい情 勢です。
最近は企業の評価が数字でさ れている中で、地方の業者は数字 を上げられないということで、受注 につながっていかないのが現状です。 私たちの企業努力も当然必要で すが、発注者側の町のご理解も必 要ではないでしょうか?
あと「石材業」も小野町の中で、 高いウエイトを占めていましたが、 4〜5年前から外材が入ってきて、 石材組合10何社ぐらいは実質廃 業という現状です。これからは前 と同じような仕事をするのはむず かしいとは思いますが、技術的ノウ ハウはなんとか残していきたいと思 っています。
それと建築の方でいいますと、公 共的な施設は一そろえできたという ことで、今は民間がほとんどという 形になっていますが、個人住宅も低 迷しているのが現状です。
司会 小野町の石は浮金石など たいへんいい石が採れたのですが。
高橋 浮金の黒石は日本一、いや世 界一かと思っています。あと白御影 石として産出はしていたのですが、 今はなかなかいいものがでなくなっ ています。
吉田(代) これからは他人と同 じではリストラにあってしまう。で すから企業も個人も自分の独自 性というか、カラーを出すべきかと 思います。そうでないとこれからは、 生き残れないような気がします。
司会 小野町は企業努力とか、生 き残りの展開を図っていく上で、こ ういう風土があればいいなとか、そ ういう点はいかがですか?
吉田(代) そういう商店が小野 町になかったのが現実ですから、仕 入先もほとんど郡山、いわきなん です。でも同じお金を落とすなら、 地元にという気持ちは持っている んです。
司会 町長、小野町の工業基盤と いう点はいかがですか?
町長 基盤はあるんです!地の利 からいっても、小野町の昼夜人口は 98%なんです。それだけ誘致企業 が多く、職場提供条件もいいんです。 これからは定住人口に併せて交流 人口を増やすことをすすめていき、 しっかりした産業基盤の形成を図 っていきたいと考えています。
商店街に活気を取り戻せ
佐藤 先程、小野町の商店街が 静かで活気がないという話をしま したけれど、町長が先程お話しし たとおり定住人口がないと売上 が伸びないというか、業種によって は交流人口でもやっていけるとこ ろはあるんですが、合併当時は一 万八千人いたのが、今では一万三 千人に減っている。これが一番大き な問題かと思います。後継者問 題がいろいろさわがれていますが、 家業を継いでもらえなくなったと いうこともあります。道路も整 備され便利になったのですが、買 い物客もいっしょに郡山、いわきに 行ってしまうようになりました。
若い人たちがいなくなっていく 中で、いかに高齢者の人たちと上 手に付き合っていくか?人にやさ しい商店街づくりも目指していか ねばならないと思います。バリアフ リーに留意したつくりを考える とか、行政の方にお願いしていこ うかなと思っています。
先崎 全く同感です。商業環境 が年々厳しくなっていますがそれ を分析しますと後継者の問題、マ ーケティングの問題、流通チャネル 間題ですね。なかなかいまの消費 者に対応できる技術がない、衰退 していってるのが現状です。やはり、 支持されるお店でないと商売に ならないのですが、「支持されるお 店づくり」がむずかしい。念頭に あっても、残念ながら大型店にお 客をもっていかれているのが現状 です。問題はあと1つ、高齢化現 象というのが大きいのではないで しょうか?まちづくりにあった商 店街の形成というのが課題だと 思っています。
町長 その点では、「お年寄りや 地域住民にやさしい商店街づくり」 を信念をもって行うことが大切で はないかと私は思っています。
司会 大型店を言う前に、土日 は休んでいたり、商業者自身の努 力や姿勢という点ではどうですか?
先崎 現状はお店のオーナーの 信念で、日曜日は開けないところ もあります。お店によっては、日曜 日はお客さんが来ないから閉めて おく。お客もお店が閉まっている から買い物に来ない。悪循環なん ですね。
先崎 私の近くに「リカちゃんキ ャッスル」がありますけど、確かに お客さんは集まるけど、それだけ で終わってしまっているんですよね。 お客様はあそこだけで目的は果 たしたという感じで、近くの商店 街で買い物はしてくれない。そこ でもう帰っちゃうんですよね。
佐藤 それは誰かが、「リカちゃん キャッスル」と「商店街」を結び付 けて人・物・お金などが循環する ように作らないとしょうがないと 思います。だから「リカちゃんキャ ッスル」に来た人に、地元で最低3 千円くらいは使ってもらえるよう なしくみ、仕掛けづくりをやって いかないと意味はないですね。