白河市文化財パンフレット 谷津田川流域水車跡群 発掘調査概要 - 001/020page
T.はじめに
市街地を流れる谷津田川では、改修工事が進み、辺りの風景は新しい装いへと変わりつつあります。教育委員会では、昨年度、この工事に伴い、かつて流域で営まれていた水車跡の発掘調査を行いました。
調査では、水車跡を通して、私たちの先人たちが谷津田川を活用してきた歴史を知ることができ、現代にいたるまでの私たちの生活の変化をたどる貴重な機会となりました。
ここでは、これまでに残されている資料や、発掘調査の成果から、谷津田川の水車のある風景をご覧いただきたいと思います。
U.水車のある風景
白河市の水車については、以前に第二小学校で教鞭をとられていた衣山武秀先生が『水車のまち白河』(1989)にまとめられています。
この資料によれば、現在の谷津田川流域には、江戸時代から昭和にかけて、精米(米つき)を中心とした水車がのべ26軒以上もあり、水車が谷津田川の歴史を知る上で大きな特徴となること、谷津田川が水車の営みに適した環境に恵まれていたことが分かります。
谷津田川の水車 『水車のまち 白河』よりそれでは、時代を追って水車のある風景を探しながら、水車の歴史をたどっていきたいと思います。