白河市文化財パンフレット 谷津田川流域水車跡群 発掘調査概要 - 017/020page
水車小屋跡 水車小屋跡の岩盤の上面の状況です。水路の両側には心棒の軸受けなどの柱穴が並び、この軸線上で水輪が回っていました。柱穴には幾通りかの組み合わせがあり、建て替えが行われたことが分かります。 石臼は柱穴列の両側に置かれていました。石臼の高さを考えれば、水車小屋は実際には盛り土の上に建っていたと考えられます。山側からは現在でも湧水があり、しみずやの名前の由来と考えられます。湧水を逃がす排水溝や井戸なども見つかりました。 導水路 水輪部分の石敷 導水路では底に横木を渡した跡が残り、本来は全て板敷になっていました。水車小屋部分の水路の底には板状の石が敷かれ、壁にも石が積まれています。水路は岩盤に掘られていますが、他の水車とも共通する補強がなされています。水輪部の石敷は丸く傾斜がつけられ、水輪による擦痕も認められました。