泉崎の文化財-013/27page

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鳥峠(からすとうげ)と稲荷神社
所在地/泉崎村大字泉崎字烏峠4番
 鳥峠は隣市白河寄り(泉崎駅から南方角)にあり、村では一番高く標高486mで山頂からの眺望が素晴らしい。白河方面から泉崎へ抜ける近道として古くから裾野を林道が通っている。表参道の大きな石の鳥居を潜って登ると八合目あたりに自衛隊の通信中継塔といこいの広場“円満平”がある。ここからの眺めもよく晴れた日には遠く飯豊連峰・吾妻連峰等を見ることもできる。
 昭和53年に観光福島緑の30景の第3位になったのを機に生活環境保全林として整備され、10コースの変化に富んだ遊歩道があり四季折り折り楽しめる。常緑樹の他、頂上付近には竹・桜・かえで等も多く野鳥の森としても好適地になっている。山頂には『正一位稲荷大明神』の額が掲げてある烏峠稲荷神社がある。この社殿造営(天長5年)には願望成就の神としての伝説があり、地方稀に見る信仰の厚い神社である。正面に石鳥居があり山門を潜って石段を上ると権現造りの特徴ある本殿がある。周囲の浮き彫りや透かし彫りは技術的にも美術的にも素晴らしく一見の価値がある。
 又、ここにある墓石は丸い石が使われており、承和(平安時代)の文字や菊の紋章が刻まれており、京都の宮人のつながりを示している。山頂から西側を少し下った所に弘法大師が東北巡覧の際、壇場を結び17日間の断食をして真言秘法を修めたと言われる小さな祠もある。

烏峠全景

円満平から
烏峠全景

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