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町指定有形文化財
板碑(延文五年銘)
塙町指定 昭和54年4月13日
所在地 大字上渋井字寄居166この板石塔婆は、頭部が三角形の山型に二条の横線が切り込まれ額部をなし、その下が板状となり、主尊の種子(しゅじ)と年号とが刻まれている。高さおよそ94センチ、上下の幅・厚さとも若干の差がある。碑面には、福島県史によると、種子はバン(大日如来)に見え、年号は「延文五年三月庚子大才彼岸三日」とさ れているが、破損されて読みがたい。
右の型の石塔は、鎌倉・室町時代に限られ建立された供養碑で、通常板碑と呼ばれ、関東地方に多い。秩父産の青石造りのものは武蔵型板碑、または青石塔婆と称され整った形をしている。
町内の竹之内・西河内にも数基ずつ残されているが、建立年月が明らかでなく、この碑は当地の歴史を知る貴重な文化財である。
延文5年(1360)は、南北朝時代の北朝の年号であり、もともとこの板碑は、通称「御堂下(みどうした)」という田の中に埋もれていたものをここへ移し、建て替えられたものである。