塙町の文化財 -032/105page

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コラム

文化財の保護について

塙町文化財保護審議会
会長 藤田 清

 終戦後四十数年、混乱と革新とを経てようやく今日の新時代を迎え、更に今後はかりしれない未来を迎えようとしている。その間、先人が遺された文化遺産というものには顧みる余裕も少なく過ぎ去り、ただただ次の時代を迎えることに追われているように思われる。遺された文化財について思いを巡らし、今後の文化の様相を想見し、それによって新しい文化の創造も考えられるものと言われている。

 県としても文化立県を目指し、早くから文化センター、歴史資料館といった文化関係の施設を開設し、資料の収集や提供とを行ってきており、近年になって博物館や美術館を開設し、前記同様、そして展示公開によって県民の文化意識の向上を目指しているが、各自治体においても文化並びに文化財について保護と活用との事業をそれぞれ進め、「村おこし」事業などによってその浸透を図っているのである。

 本町においても昭和四十八年に文化財保護条例を定め、文化財の調査・発掘を進め、また重要文化財の指定事業を行ってきたが、昭和六十三年に条例を改正し、文化財保護行政も新たな段階に進むことになった。

 これらのことから広く町民の皆様へ、文化財の保護についてその資料となるものを提供し、文化財に対する興味と関心とを訴えるため、本資料を作成することとなった。

 表現が仰々しくなってしまったが、特に構える必要はなく、道端のお地蔵さんが落葉に埋もれていたら、それを払ってあげるとか、土の中に埋まっていた土器のかけらに関心を持つとか、身近なものへ関心を持つなど、残されたものへ興味を持ってもらうことが望まれるのである。

 町民の関心や意識が高まることにより、町の文化レベルも押し上げられることは必至で、更に、広く文化に対する興味と関心の高まりが波及することを最終の目標として、その第一歩としたいと思うものである。

 趣旨ご了解の上、本資料の活用をされ、町の文化の保護・保存にっいて御協力をお願いするものである。


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