ふるさとのむかし話-005/42age
ったそうです。そのわけは、宝木村の人達が、押野にある神社で、たくさんのさんぱい人がある、安産と子供が丈夫にそだつ、ご利益の多いあたごさまがあるのをはなにかけ、何かにつけじまんをするのに、戸倉村にはそういう神社が、なかったからでした。しかし、信心のあつい戸倉村の人達は、あたごさまの寄りあいがあると、喜んででかけたそうです。
ある時、寄りあいがあり、いつものように大勢の人があつまり、宝木村と戸倉村の人達も大勢あつまりました。そこで酒をのみ、最初は楽しくすごしましたが、だんだんと酒のよいがまわってくると、いつものように、宝木村と戸倉村の人達がまっぷたつにわかれ、こうろんになってしまいました。いくらこうろんをしても、決着がつきません。そのうち、だれかが、かけで決着をつけようということになりました。
宝木村の人達が勝てば、戸倉村の人達は、こんりんざい、あたごさまに足をふみいれない。そして、戸倉村の人達が勝てば、宝木村にあるあたごさまを、戸倉村に持っていき、ひと晩のうちにもとのようにたてておけば、そこにあたごさまをまつってお