ふるさとのむかし話-041/42age
かにそのときは代金はいただきましたのにあとでかんじょうしますと、金があわず、そのかわりに木の葉が二まい入っていただけなので、家内中でもめていたところでした。私もあなたも、こりゃ、きつねにばかにされたんでしょうね。」と、主人はたんものをみながらいいました。
心のやさしい長兵衛は、「それでは、このたんものをおかえしいたしましょう。」というと、「めっそうもない。これはきっと利口なきつねのしたことでしょうから、そんなことしたらきっとばちがあたります。そのたんものは、あなたにさしあげますから、どうぞあなたのおすきなようにお使いください。」と、その店の主人にいわれ一生かかってもつかいきれないほどのたんものと交かんしてもらいました。
そして、きつねたちが、「わたしたちは、となりきんじょに、けっして悪いことはしませんから、どうぞ、わたしたちを鉄ぽうでうたないでください。そのお礼としてたんものをさしあげますから。」と、長兵衛にいっているようにおもえ、いご、わるさをしないかぎりけっして、鳥やけだものに鉄ぽうをむけなかったそうです。