体験学習の手引き -025/036page
年 中 行 事
会津にはたくさんの年中行事がありますが、その中で主なものをあげてみます。
1. 正月の行事
元日参り
一般には、近くの神社を参拝(さんぱい)します。町には、諏方(すわ)・お八角(やすみ)・蚕養(こがい)・東山のお羽 黒(はぐろ)などたくさんの神社があります。初音(はつね)
元日の朝早く、竹で作った初音といううぐいすの音色(ねいろ)をだす鳥笛を吹き、売りにきま す。うぐいすは、春を告げる鳥なので、初詣(はつもうで)の人が買い求め、吹きながら帰ると、いかにも新年 を感じさせます。七草(7日)
この朝、七草粥(がゆ)を食べます。「七草たたきなにたたく、唐土の鳥が日本の土 地に渡らぬうちに、すととんとん」と歌を歌いながら七草を細かくたたきます。それをお粥に入 れ、さらに切ったもちを入れて食べる家もあります。十日市(とおかいち)(10日)
市の中心、大町通りと神明(しんめい)通りを中心 に開かれます。300年以上の伝統があり、約500店もの露店(ろてん) が立ち並び、近くの農村から買物に来た人でにぎわいます。 この日売られる縁起(えんぎ)物の起き上がり小法師(こぼし)を家族の人数より 1個多く買い求め、神棚(だな)にまつり、1年間の家内安全を祈り ます。風車(かざぐるま)とともに忘れてはならないこの日の買い物となっ ています。団子(だんご)さし(14日)
ミズキの若木にそば・粟(あわ)・米の粉で 作った団子(金小判、きね、馬などをかたどったもの)をさ して、神棚にそなえ、豊作を祈ります。さいの神(15日)
神棚の注連(しめ)や、松飾(まつかざり)などを集めて 焼き、この火で焼いたもちや団子を食べると、また、この火 でたばこをつけると、腹痛、歯痛などをしないといわれています。2. 春の行事
節分(2月3日)
田作(たつくり)(魚)の頭(かしら)を豆柄(まめがら)にさして、それを戸口にさします。夕方に「福は 内、鬼は外」の声に近所どうしが競って鬼を追い出そうとし、福を招(まね)きます。豆占(うらな)いといって、 向こう12力月に見立てた豆を焼き、その焼きかげんで1年の天侯を予測(よそく)します。桃の節句(3月3日)
女児の生まれた家では、ひな人形を飾り、草もちを供え、甘酒を飲 んで祝います。春彼岸(ひがん)(3月18日〜24日)
各家では、彼岸花(造花)を仏壇(ぶつだん)に供え、先祖の霊を祭り、墓 参りをします。中日(ちゅうにち)には、おはぎをつくって供え、また彼岸中、彼岸獅子(ひがんじし)が各戸を回ります。秋 には秋の彼岸も行います。