すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第1集) -012/197page
ぎわう元町(もとまち)の商店街(しょうてんがい)がありました。そのにぎやかさとは反対に、学校は木々にかこまれて静かでした。
校舎(こうしゃ)は、明治の初めにはめずらしい西洋風の建物で、机や椅子(いす)も新しい外国式でした。しかし、建物や設備(せつぴ)は外国風でしたが、中で勉強する生徒たちは和(わ)服(ふく)を着て、寄宿舎(きしゅくしゃ)の部屋には畳(たたみ)が敷(し)かれていました。勉強も、英語だけでなく、日本の古典(こてん)や漢文(かんぷん)もありました。
以前のキダーさんは、結婚してミラー夫人となっていました。ミラー夫人は、寄宿生を『私の家族(かぞく)』 とよんでいました。家族のような親しさで、あたたかくむかえてくれたのです。
この寄宿舎にはいって、かし子はようやく心の平和がもてるようになりました。規則(きそく)正しい生活、家族同様(どうよう)の寄宿舎では、安定(あんてい)した毎日が送れました。ここにはあたたかい 『家庭』(ホーム) があったのです。