すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第1集) -031/197page
明治の女流文学者(じょりゅうぷんがくしや)の一人に、樋口一葉(ひぐちいちよう)がいます。一葉は、賤子(しずこ)にあこがれ、賤子のような文学者になりたいと勉強していました。生前(せいぜん)の賤子に会うことなく、賤子の死を聞いた一葉は、
訪は(とわ)ばやとおもひしことは空(むな)しくて
けふ(きょう)のなげきにあは(わ)んとやみしという短歌を寄せていますが、その一葉は、賤子の死後半年(はんとし)、11月23日に、賤子と同じ病気で25歳の生涯(しょうがい)を終えました。
私の生涯は神の恵(めぐ)みを
最後まで心にとどめた
ということより外に
語るなにものもない
若松 賤子