すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第1集) -114/197page
り君の信仰(しんこう)するキリスト教の教えなのかもしれない。これからは、私もキリスト教を信仰して、君のようなやさしい愛にあふれた人生が送れたら、きっとすばらしいことだろう。」
こう言って、夫(おっと)の季昌(すえまさ)が教会で洗礼(せんれい)をうけて、キリスト教徒(きょうと)となったのです。リンのやさしい忍耐強(にんたいづよ)い人がらが、夫の心を開かせたのです。
明治四十二年(1909年) 四月二十日、会津の幼児教育(ようじきょういく)と女子教育の母といわれた海老名(えびな)リンは、家族にみとられながら、静かに息(いき)をひきとりました。61歳でした。
残し行く母の思ひ(い)をおもひ(い)やりて
道はかどらぬ心地(ここち)こそせめ
お葬式(そうしき)は、折(おり)から満開(まんかい)となった桜(さくら)、ふぶきの中を、キリスト教式で行われました。