すばらしい先輩たち会津人のほこり（第1集） -153/197page

「それはよかったですね。でも、このごほうびはこの母にくださったほうがよかったのではないですか。」

　母はうれしさのあまりに、じょうだんを言ったのだが、それにはわけがあった。健次郎が病気で何日も学校を休んでいる間、母は健次郎を看病（かんびょう）しながら、その枕（まくら）もとにすわって毎日のように、学校で習っている本を読んで聞かせていたのである。健次郎も、母のおかげできょうのようなよい成績がとれたのだと感謝し、この恩（おん）は、一生忘れまいと思っていた。健

掲載情報の著作権は会津若松市教育委員会に帰属します。
会津若松市教育委員会の許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。