すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第1集) -154/197page

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次郎が十歳のときの話である。

 健次郎は、幼(おさな)いころ体が弱く、学校を休むことが多かった。


生(お)いたち

 山川健次郎は、安政元(あんせいがん)年(1854)七月十七日に、若松本二之丁(ほんにのちょう)(今の若松二中正門前あたり)に生まれた。山川家は、保科正之(ほしなまさゆき)公に従って会津にやってきた。そして、健次郎の祖父(そふ)のときには、特に選ばれて家老(かろう)の職についた。家老というのは、殿様の政治を助ける役目で、大へん重要な職である。会津では、それまでは家老になる家がきまっていて、その家の長男が家老になることになっていた。山川家は、新しく家老の仲間入りをしたわけである。

 健次郎が七歳のとき、父が病気でなくなった。そのため、健次郎を育ててく


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