すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第1集) -159/197page
毎日くりかえし聞いているので、口ぐせになってみんな暗記してしまっていた。
「ならぬことはならぬ」というのは、会津の武士たちがおとなになっても、命をかけて守りとおしてきた大切な心得(こころえ)であった。健次郎は、生涯(しょうがい)いつもこのことばを胸にきざんで忘れなかった。
会津戦争
健次郎は、九歳で日新館(にっしんかん)に入学することを許された。もともと学問が好きだった健次郎は、一生(しょう)けんめいに勉強した。むずかしい中国の本を、次から次へと読んでいった。学問がおもしろくてならなかった。ふっうの人が十六歳で終わる初歩(しょほ)の勉強を十四歳で終わってしまった。さらに上級の学問をめざして勉強をしているとき、会津戦争が起こった。健次郎が十五歳のときである。