すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第2集) -018/203page

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本宮(もとみや)駅まで約三十五キロの山道を歩かねばなりません。

「清作、がんばるんだぞ。医者になるという目的を立てた以上、最後までしっかりやるんだよ。」

小林先生のはげましの言葉、

「清作や、むりなことはするなよ。からだをこわさないようにしておくれ。いつも観音様(かんのんさま)をおがんでいるよ。」

母シカのやさしい言葉に送られ、わらじのひもをしめなおすと、カ強く東京へ向って歩き出しました。

東京に着いた清作は、十月には医術開業(いじゅつかいぎょう)の前期試験を受け、合格しました。けれども、困ったことに持っていたお金がもうなくなっていたのです。この広い東京で、清作の 「お金」と「勉強」の苦労が始まりました。

「そうだ。あの若松でお会いした血脇守之助(ちわきもりのすけ)先生のところへ行こう。」


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