すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第2集) -040/203page
土をなめる農民
村の東の空に、若松のお城がくっきりと見えます。西のほうには、あばれ川の大川がゆうゆうと流れています。村には、青々とした野菜畑(やさいばたけ)が広がっています。昔(鎌倉(かまくら)時代の初め)武将(ぶしょう)が、幕をはりめぐらして館(やかた)としたので、幕内(まくのうち)といわれるこの村は、砂土(すなつち)で、畑(はたけ)が多い村です。
ある日、この野菜畑を歩きまわりながら、野良着(のらぎ)姿の一人の男が、帳面を広げて何やらかきしるしていました。
「何をしておいでです。」
しばらく、ふしぎそうにながめていた通りがか