すばらしい先輩たち 会津人のほこり(第2集) -041/203page
かりの人が声をかけました。
「土の味をしらべているのです。」
この男は、あちこちの畑や田をまわりながら、土をなめ、味をたしかえめては、それを帳面に書きしるしていました。
下土(げど)は酢(す)く 上土(じょうど)はあまく そのほかの
土にも味を ふくまぬはなし
男は、あとで、このような歌をよんでいます。
この男こそ、江戸(えど)時代の初め、すぐれた農業の本『会津農書(あいづのうしょ)』を書きあらわした、幕内(まくのうち)の佐瀬与次右衛門(さぜよじえもん)です。
水のたたかい